シェットランドシープドッグは、”シェルティ”の愛称で親しまれている、
イギリス原産の牧羊犬です。
イギリスでも、最北端のシェットランド諸島出身である事から、
この名前がつけられました。
外見的にラフ・コリーとよく似ていることから、
ラフ・コリーを小型化したものと思われがちですが、少々違います。
コリーを祖先に持つという点では同じなのですが、シェットランド島で飼育されていた
家畜の大きさが小型だったため、イギリス上陸の際に、
ラフ・コリーなどと掛け合わせて、意識的に小型化のコリーを作り出すべく
改良が重ねられたのが、このシェットランドシープドッグなのです。
この小型化には、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルや
ポメラニアンが使用されたとも言われています。
牧羊犬として活躍していたシェルティですが、
現在では、その牧羊犬の座は、シェルティよりも
体格の大きいボーダーコリーに取って代わられました。
牧羊犬としての職を失ってしまったシェルティですが、
今は世界中でコンパニオンドッグとして愛されています。
日本においても、一時期のコリーブームの際に、サイズ的な問題で飼育を断念していた
愛犬家達の間で、コンパクトな体型のシェルティは大歓迎を受けました。
しかし、その人気ゆえ、乱繁殖された結果、犬種としての気質・品位を落とす事となり、
人気が衰退してしまうという悲劇を招きました。
現在は、頭数こそは少ないものの、その高い知性と理解力で、
競技会などで活躍しているシェルティです。
トイプードル
チワワ
ダックスフンド
ポメラニアン
ヨークシャーテリア
○被毛
荒くて長いオーバーコートと、柔らかくて密生したアンダーコートのダブルコートです。
首まわりの豊富な飾り毛が最大の特徴で、メスよりもオスの方が豊かです。
○毛色
スタンダードは、セーブル
(シェルティを代表するカラー。黄金茶からマホガニー(チョコレート色)まで)、
トライカラー(ブラック・ホワイト・アンド・タン)、
ブルーマール、バイブラック、バイブルーの5色です。
50%以上の白毛は好ましくありません。
ブリンドルは失格とされています。
日本以外では、ブラック&タンの2色がいるといわれています。
*ブルーマールは、聴覚に障害がないか調べる必要があります。
○サイズ
体高:オス・メスともに33.0〜40.6cm
体重:オス・メスともに6〜7.3kg
小型コリーという位置づけがあるため、
スタンダードで最も重要視されるのが、サイズの問題。
安易なブリーディングによって、祖先に持つ大型のコリーのサイズに
戻ってしまう事があるので、ブリーディングには慎重さが重要とされています。
○歩様
軽快ではつらつとした足運び。
速度が上がると、「シングルトラッキング」と呼ばれる、
四肢が胴体真下のセンターライン上近くに着地する足運びとなります。
コーギー
パピヨン
ミニチュアシュナウザー
マルチーズ
シーズー
シェットランドシープドッグは、とても明るく快活で、
感受性が豊か、人と戯れる事が大好きな犬種です。
飼い主の話を、じっと目を見つめて聞く事から、
「目で話す犬」といわれているほどです。
また、元々優秀な牧羊犬であっただけあり、大変賢く、
訓練性・服従性に優れ、責任感にもあふれています。
従順で物覚えが良いので、アジリティなどの
ドッグスポーツにも向いている犬種といえます。
一般的に、大型犬を小型化することで、性格が神経質になるといわれており、
シェルティもやはり、コリーに比べると神経質といえます。
また、家畜を守るのを仕事としていたため、警戒心も強い方です。
大きな音や家族以外の人に警戒し、吠え立てる「無駄吠え」が
多いといわれているのが、じつはシェルティなのです。
こうした警戒心も、番犬として考えるならば必要な事といえますが、
必要以上の無駄吠えは、近所迷惑となるので、しつけは重要となります。
このように、初めてのことには神経質になりがちなシェルティですが、
本来は温厚で愛想も良いので、小さな子どもとも仲良く出来る性格です。
賢いシェルティですから、気質や特性を理解し、きちんとしたしつけさえ行えば、
より一層シェルティの魅力を引き出すことが出来ますし、
パートナーとして申し分ない存在になるに違いありません。
ラブラドールレトリーバー
ボーダーコリー
柴犬
フレンチブルドッグ
パグ
シェットランドシープドッグの起源については、実は明確にされていません。
最初のシェルティの原種は、自然環境が大変厳しいとされていた
シェットランド諸島固有の小さな犬で、雑種だったといわれています。
数百年前に、スコットランドのコリーがシェットランド島に移され、
小型の牧羊犬として改良すべく、キング・チャールズ・スパニエルやポメラニアン、
グリーンランドから上陸してきた牧羊犬などとの交配が重ねられ、
シェルティの原型が出来上がったようです。
現在のシェルティのスタイルが確立されたのは20世紀に入ってからです。
19世紀に、スコットランドの優れた牧羊犬、スコッチ・コリーと交配させた事で、
それまでスピッツ寄りだったシェルティは、コリーの形態に急速に変化したといいます。
このとき出来上がった改良犬を、スコッチ・コリーに対し、
「シェットランドコリー」と称しましたが、混血の種類が多く、
犬種としてまだ安定していないなどの理由により、コリー愛犬家達から猛反発を受け、
結局「シェットランドシープドッグ」に名称を変えました。
イギリスケネルクラブに公認されたのは1909年、
アメリカケネルクラブでは1911年のことです。
スタンダードは、国によって開きがあります。
日本においては、家庭にテレビが普及した頃に、テレビドラマ「名犬ラッシー」で、
コリーの人気に火が付きましたが、その大きさゆえに、
住宅事情によって、飼育を断念する家庭がたくさんありました。
そのときにコリーをあきらめていた人たちの間で、
”小型のラッシー”としてシェルティに注目が集まり、一代ブームを築きます。
しかし、そのブームに乗った悪質なブリーダーによる乱繁殖で、
犬種としての気質が劣ったシェルティがたくさん市場に出回るようになったため、
その人気は陰りを見せます。
現在は、日本においての登録数は、全犬種中22位と、多くはありませんが、
その賢さと愛らしさから、世界中で愛される犬種となっています。
ジャックラッセルテリア
ボストンテリア
ビーグル
ゴールデンレトリーバー
キャバリア